かに座30度
「アメリカ革命の娘」A Daughter of the American Revolution.
アメリカ革命の後に生まれた娘は、アメリカが通ってきた革命の血の歴史を知らず、教えられたまま過去の栄光を信じて生きている。愛国心に通じる家族礼賛、自分の家族が一番素晴らしいと信じ、素直に自分の国は良い国だと教えられるままに思い込む。そして、祖母から母へ、母から娘へと受け継ぐ家庭の味付けのように、アメリカ的良心を自らも継承していくのであった。独立精神で誇りと自信に満ちているその姿は、外から見れば大した根拠のあるものには見えず、時に滑稽に映ることもあることでしょう。
自分の属する世界に依存することは、その世界から依存されるということでもあります。与えるものは奪うものであり、包み込むものは弾き飛ばすものである。あたらしいすばらしい世界が外にあるかもしれないと、もしも気づいてしまったら、いままで当たり前のこととして無条件に礼賛してきた、自分の世界の歪みに意識が向き、そこからの脱出を目論むことになってゆきます。場と同一化している限り本質は見えません。その場所からはなれてはじめて、それを知ることができるのです。しかし、ここでは、新しく個性的なものに憧れながらも、最後の一歩で踏みとどまり、自分はどこにいてもアメリカの娘であるということを知ることになる。
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